予防接種とは
予防接種(ワクチン接種)とは、ウイルスや細菌の病原体を無毒化・弱毒化したものを体内に投与し、免疫を事前に獲得することで感染症の発症や重症化を防ぐ医療行為です。「かかってから治す」のではなく、「かかる前に防ぐ」ことが最大の目的です。
女性にとって特に重要なワクチンとして、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンがあります。また、妊娠を希望する方・妊娠中の方には風疹・麻疹・インフルエンザのワクチンが強く推奨されています。感染症は自分だけでなく、パートナーや生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼすことがあるためです。
当院では、お電話またはWEBにてご予約のうえ接種しています。公費(無料)接種の対象となる場合もありますので、まずはお気軽にご確認ください。
公費の方は、必ずクーポンや書類をご持参ください。
現在公費で受けていただける予防接種は準備中のため、お受けしておりません。
予防接種で防げること
- 子宮頸がん・膣がん・外陰がん(HPVワクチン)
- 尖圭コンジローマ(HPVワクチン)
- 先天性風疹症候群(胎児への心奇形・難聴・白内障)(風疹ワクチン)
- 麻疹(はしか)の発症・重症化、妊娠中の罹患では早産リスク(麻疹ワクチン)
- 風疹の発症・重症化(MRワクチン)
- インフルエンザの発症・重症化(インフルエンザワクチン)
- 帯状疱疹の発症・神経痛の長期化(帯状疱疹ワクチン)
ワクチンは「自分を守る」だけでなく、感染を広げないことで周囲の人――特に免疫が弱い高齢者・乳幼児・妊婦――を守る「社会的な役割」も担っています。
接種時の副反応
ワクチン接種後に現れる体の反応を「副反応」といいます。多くは免疫が正しく働いているサインであり、数日以内に自然に落ち着きます。
よくある副反応(接種後数日以内)
- 接種部位の赤み・腫れ・痛み
- 発熱(37〜38℃程度)
- 倦怠感・頭痛・筋肉痛
- 接種部位のかゆみ・硬結
まれに起こる副反応
- 蕁麻疹・発疹
- 関節痛・リンパ節の腫れ(特に風疹ワクチン)
- 失神・迷走神経反射(接種直後の緊張・痛みによるもの)
接種後30分以内に息苦しさ・じんましん・顔のむくみ・意識の低下などが現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。接種後はしばらく院内でお待ちいただき、症状が出た場合はすぐにスタッフへお申し出ください。
副反応への不安から接種をためらっている方も、事前にご相談いただければ丁寧にご説明します。過去にアレルギー反応が出たことがある方は、必ず問診でお申し出ください。
ワクチンの種類と費用
当院で接種可能なワクチンは以下のとおりです。公費(無料または一部助成)の対象となる場合がありますので、ご予約の際にご確認ください。
HPVワクチン(子宮頸がん予防)
ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんの主な原因ウイルスです。HPVワクチンは、初めての性交よりも前に接種することで高い予防効果を発揮します。当院では4価ワクチン(ガーダシル)と9価ワクチン(シルガード9)の2種類に対応しています。
4価ワクチン(ガーダシル)
HPV6・11・16・18型を予防します。子宮頸がん・尖圭コンジローマの予防に有効です。定期接種(公費)の対象となります。
9価ワクチン(シルガード9)
HPV6・11・16・18・31・33・45・52・58型の9種類を予防します。4価ワクチンと比べてより多くの型に対応しており、子宮頸がんの約90%をカバーするとされています。公費対象となります。
公費接種の対象:小学6年生〜高校1年生相当(12〜16歳)の女性。対象の方には自治体から予診票が送付されます。予診票をご持参ください。
| HPVワクチン 9価(シルガード9)1回 | 公費対象:無料 自費:33,000円(税込) |
|---|
※接種回数:1回目の接種を15歳までに受けると2回、15歳になってから受けると3回
風疹ワクチン・MRワクチン
妊娠初期に風疹に感染すると、胎盤を通じてウイルスが胎児へ感染し、先天性風疹症候群(心奇形・難聴・白内障)を引き起こすことがあります。妊娠中はワクチン接種ができないため、妊娠を希望する方は妊娠前に抗体価を確認し、必要であればワクチンを接種することが重要です。
また、妊娠中に麻疹に感染すると、早産のリスクが高くなります。
当院では風疹単独ワクチンのほか、麻疹・風疹の混合ワクチン(MRワクチン)にも対応しています。MRワクチンは定期接種の対象外の年齢の方も任意接種として受けられます。
港区在住の妊娠希望女性・同居者は風疹抗体価検査を無料で受けられます。抗体価が不十分な場合はワクチン接種も公費で対応可能です。詳しくはご予約時にお問い合わせください。
| 風疹抗体価検査・麻疹抗体価検査(自費) | 各2,750円(税込) |
|---|---|
| 風疹ワクチン接種(自費) | 7,150円(税込) |
| MRワクチン(麻疹・風疹混合)1回 | 11,000円(税込) |
※生ワクチンのため、接種後2か月間は必ず避妊してください。
※妊娠中の方への接種はできません。
インフルエンザワクチン
インフルエンザの流行前(例年10〜11月ごろ)の接種が有効です。特に妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいため、妊娠前・妊娠中・授乳中を問わず積極的な接種が推奨されています。
| インフルエンザワクチン(成人)1回 | 4,950円(税込) |
|---|
※毎年の接種が推奨されます。流行シーズン前にご予約ください。
※接種後、免疫がつくまで2週間程度かかります。
帯状疱疹ワクチン
水痘(水ぼうそう)ウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して帯状疱疹を引き起こします。50歳以降に発症リスクが高まり、皮膚の痛みや水ぶくれのほか、治癒後も神経痛が長期間続くことがあります。ワクチン接種でリスクを大幅に低減できます。
生ワクチン(ビケン)
1回接種。費用は比較的安価ですが、免疫低下状態の方には接種できません。
不活化ワクチン(シングリックス)
2回接種(2か月間隔)。生ワクチンと比べて予防効果が高く、免疫が低下した方にも接種可能です。
注射部位の疼痛は生ワクチンに比べて起こりやすいようです。
| 帯状疱疹ワクチン(不活化・シングリックス)1回 | 22,000〜25,000円(自費・税込)× 2回 |
|---|
※自治体によっては助成があります。お住まいの市区町村にご確認ください。
接種時の注意事項
予約について
ワクチンは事前の在庫確保が必要なため、必ずお電話またはWEBにてご予約をお願いします。当日の飛び込み接種はお受けできません。また、公費接種の予診票をお持ちの方は予約時にその旨をお伝えください。
接種当日の体調について
発熱中・体調不良時はワクチン接種ができません。37.5℃以上の発熱がある場合は接種を延期してください。また、接種当日は激しい運動・飲酒・長時間の入浴(接種部位を強くこする)はお控えください。
妊娠中・妊娠の可能性がある場合
生ワクチン(風疹・MR・水痘・帯状疱疹生ワクチンなど)は妊娠中に接種できません。妊娠の可能性がある場合も接種前に必ずお申し出ください。不活化ワクチン(インフルエンザ・HPV・シングリックスなど)は妊娠中でも接種可能なものがありますが、主治医とご相談のうえでご判断ください。
生ワクチン接種後の避妊について
風疹・MR・水痘などの生ワクチンは、接種後2か月間は必ず避妊してください。この期間に妊娠すると胎児への影響が懸念されます。妊娠を希望している方は、接種後2か月が経過してから妊活を再開してください。
複数のワクチンを接種する場合
不活化ワクチン同士は同日または間隔なく接種できます。生ワクチン同士は同日接種が可能ですが、別の日に接種する場合は27日以上(4週間)の間隔が必要です。生ワクチンと不活化ワクチンの間隔制限はありません。詳細はご予約時にご確認ください。
接種後の過ごし方
接種後30分間は、まれに起こるアナフィラキシーに備えて院内でお待ちいただきます。帰宅後も接種当日中は激しい運動・過度な飲酒を控えてください。接種部位を清潔に保ち、強くこすらないよう注意してください。
接種後に気になる症状が続く場合は、遠慮なくお電話またはLINEでご相談ください。
