漢方外来とは
漢方(漢方医学)とは、中国を起源とする伝統医学が日本で独自に発展したもので、天然の植物・鉱物・動物由来の「生薬」を組み合わせた漢方薬を用いて、心身全体のバランスを整え、体が本来持つ自然治癒力を高めることを目指す医学です。
西洋医学が「症状・原因をピンポイントで治療する」のに対し、漢方医学は「体全体の状態(=証〈しょう〉)」を把握し、その人の体質に合ったオーダーメイドの処方で根本から改善を目指します。検査では「異常なし」と言われるのに体がつらい、なんとなく調子が悪い――そんな「不定愁訴」や「未病」こそ、漢方が最も得意とする領域です。
漢方外来は第2・第4月曜の午前中の診療となります。漢方外来は、産婦人科専門医・東洋医学専門医の両方を持つ関口医師が担当いたします。豊富な産婦人科診療経験を持ちながら専門性の高い漢方医療を行っている医師は多くはありません。
当院では、保険での漢方処方も可能です。婦人科専門医の立場から、西洋医学的な検査・診断を組み合わせつつ、女性特有のお悩み(生理痛・PMS・更年期・冷え・不妊など)に漢方薬を処方しています。
お電話またはWEBにてご予約のうえご来院ください。
西洋医学と漢方医学の違い
当院では漢方を「西洋医学の対立」ではなく「補完・統合」と位置づけています。どちらが優れているということではなく、お悩みの性質に応じて最適な組み合わせをご提案します。
| 西洋医学 | 漢方医学 | |
|---|---|---|
| アプローチ | 症状・原因をピンポイントで治療 | 体全体のバランスを整えて根本から改善 |
| 診断方法 | 血液検査・画像診断など客観的検査中心 | 問診・舌診・脈診・腹診など体質の「証」を判断 |
| 処方の考え方 | 同じ病名には同じ系統の薬 | 同じ症状でも人によって薬が異なる |
| 得意な領域 | 急性疾患・器質的疾患・感染症 | 慢性症状・体質改善・不定愁訴・「未病」 |
| 効果の出方 | 比較的速やか | ゆっくりなものもある・体質改善には時間がかかる |
| 保険適用 | 原則保険診療 | 医療用漢方エキス製剤は保険適用 |
当院では「西洋薬をやめて漢方に切り替える」こともありますし、現在の治療に漢方を上乗せしたり、補完的に活用することもご提案しています。他院で処方されているお薬がある方もお気軽にご相談ください。
こんなお悩みに
以下のようなお悩みに、漢方はとくに効果を発揮しやすいとされています。「これくらいで受診していいの?」とためらわれる方こそ、ぜひご相談ください。
- 生理痛・月経困難症
鎮痛剤が手放せない、下腹部・腰の重い痛み。西洋薬で改善しきれない方に。 - PMS・月経前症候群
生理前のイライラ・落ち込み・頭痛・むくみ。ホルモン変動に伴う不調を体質から整える。 - 更年期症状
ホットフラッシュ・動悸・不眠・倦怠感・気分の波。HRTと併用も可能。 - 冷え性・むくみ
手足の冷え、体全体が温まりにくい、夏でも冷える。「冷え」は漢方の得意領域。 - 妊活・不妊の体質改善
西洋医学的な不妊治療と並行して体質改善。卵巣機能・子宮環境のサポートに。 - 不定愁訴・疲労感
検査で異常がないのに体がだるい・眠れない・頭が重い。「なんとなく不調」に。 - 産後の体力回復
出産後の疲弊感・母乳不足・産後うつの気分の落ち込みなど体力・気力の回復に。 - 自律神経の乱れ
ストレスによる動悸・頭痛・消化器症状・過敏性腸症候群など。こころと体の不調に。 - 肌荒れ・ニキビ・乾燥
ホルモンバランスや体質から来る肌トラブル。内側から体質を整えてアプローチ。 - 尿に関する悩み
頻尿・尿もれ、残尿感など、最初に相談する窓口として。
上記以外のお悩みでも構いません。漢方は「体全体を診る」医学ですので、複数の症状が重なっている方・長年改善しない症状をお持ちの方にも向いています。まずはお気軽にご相談ください。
保険適用について
当院で処方する医療用漢方エキス製剤は、健康保険が適用されます(1〜3割負担)。市販の漢方薬(OTC)とは品質・含有量が異なる医薬品であり、医師の診察・処方のもとで使用します。
| 保険適用の有無 | 医療用漢方エキス製剤は保険適用 |
|---|---|
| 自己負担割合 | 通常の診療と同じ(1〜3割負担) |
| 処方形態 | 顆粒状エキス製剤(服用しやすい小分けタイプ)が中心 |
| 処方期間の目安 | 症状・体質により異なる。まず1〜3か月で効果を評価 |
受診にあたって
外来受診にあたりましては、十分な時間を確保したうえで診察を行えるよう、診察費用と別に診察予約に予約料(厚生労働省の示す選定療養に該当します)を頂戴いたします。
| 初診予約料 | 5,500円(税込) |
|---|---|
| 再診予約料 | 2,750円(税込) |
※診察費用とは別に予約料がかかります。
受診の流れ
服用上の注意事項
- 漢方薬は体質に合っている場合、苦みが気にならないことが多いとされています。非常に苦く感じる場合は、体質に合っていない可能性がありますのでご連絡ください。
- 食前または食間(食後2時間以上空いた状態)に服用するのが基本です(お薬によって異なります)。
- 効果がゆっくり出るものが多いため、少なくとも1〜3か月は継続して服用することをお勧めします。
- 妊娠中・授乳中の方は服用できない漢方薬もあります。必ず受診時にお申し出ください。
- 他院で処方されているお薬・市販薬・サプリメントと相互作用が生じる場合があります。服用中のものをすべてお知らせください。
- 「甘草(かんぞう)」を含む漢方薬(多くの処方に含まれます)を長期服用する場合、偽アルドステロン症(血圧上昇・むくみ・低カリウム血症)が起こることがあります。定期的な確認が必要です。
漢方専門医不在時について
漢方専門医不在時に、すでに処方されている薬剤の継続を希望される場合や服用中の体調不良には、通常の再診予約をお取りいただければ対応いたします。
漢方薬に関するよくある誤解
「漢方は効くのが遅い」
慢性症状の体質改善には時間がかかることもありますが、生理痛・頭痛・冷え性などの急性・慢性症状に対して比較的早く効果を感じる方も多くいます。
「漢方は自然のものだから副作用がない」
漢方薬も医薬品であり、体質・他の薬との組み合わせによっては副作用が生じることがあります。医師の処方のもとで使用することが大切です。
「市販の漢方と同じでは?」
市販品(OTC)と医療用漢方エキス製剤は、生薬の含有量・品質管理が異なります。医療用の方が効果・安全性の根拠が明確です。
