思春期ヘルスケアとは
思春期(おおむね10〜18歳ごろ)は、女性ホルモンの分泌が始まり、初経を迎えて体が大きく変化する時期です。生理痛・生理不順・月経前の気分の落ち込みなど、この時期特有の不調が現れやすく、対処法がわからないまま「みんなも同じだから」と我慢してしまう方が少なくありません。
しかし、思春期の月経トラブルを放置していると、将来の妊娠や健康に影響を及ぼすこともあります。また、痛みや不調を「生理だから仕方ない」と思い込まず、適切な治療を受けることで、学校生活や日常生活の質を大きく改善できることがあります。
経験豊かな医師が対応しますので、打ち明けづらい事でも安心してご相談いただけます。
生理痛、月経に伴って起こる不快な症状、生理不順、不正出血、ワクチン接種、その他「こんなことって自分だけ?」と心配なことなど、お気軽にご相談ください。
18歳未満の方へ
18歳未満の患者様につきましては、検査や投薬説明のために保護者同伴での受診をお願いしております。お一人で受診された場合、保護者に電話連絡を行うことがあります。また、検査や処方ができないことがありますのでご了承ください。
また、相談内容や症状によっては同伴者に室外でお待ちいただき、ご本人と医師でお話をさせていただくこともございます。受診時の医師判断に委ねていただくことになりますので、予めご了承の程よろしくお願い申し上げます。
思春期に多いお悩み・症状
- 生理痛がひどくて学校を休んでしまう
- 生理の周期がバラバラで安定しない
- 生理が来ない・止まってしまった(無月経)
- 経血の量が多すぎる・少なすぎる
- 生理前になるとイライラ・気分が落ち込む(PMS)
- おりものの量・色・においが気になる
- デリケートゾーンのかゆみ・痛みがある
- ダイエットや運動量が増えたら生理が来なくなった
思春期の体の変化には個人差がとても大きく、「自分だけおかしいのかな」と不安になることもあるかもしれません。どんな小さな疑問でも、遠慮なくお話してください。
受診の目安
まずは以下に当てはまる方は、早めに受診されることをお勧めします。受診にあたり、年齢制限は設けていません。
月経痛について
- 市販の鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらない
- 痛みで授業・部活・日常生活に支障が出ている
- 毎月の生理のたびに痛みが強くなってきている
- 生理期間が終わっても下腹部の痛みが続く
月経周期・出血量について
- 生理が3か月以上来ない(無月経)
- 生理周期が24日以下、または40日以上
- 経血の量が極端に多い(夜用ナプキンが1〜2時間で一杯になる)
- 経血にレバー状の塊が混じる
- 生理以外のタイミングで出血がある(不正出血)
生活・体重との関連
- 激しい運動を始めてから生理が止まった
- ダイエットやリバウンドで体重が急激に減少・増加してから生理不順になった
- 食欲がない・食べられない状態が続いている
無月経・極端な体重減少・摂食障害の傾向がある場合は、骨密度の低下や将来の不妊につながることがあります。「生理が来なくてラクだから」と放置せず、早めに相談にお越しください。
診療メニューと治療
症状・年齢・生活環境に合わせて、最適な検査・治療をご提案します。
問診・内診・超音波検査
月経の状態・症状・生活習慣・既往歴などをくわしくお聞きします。腹部または経腟、経直腸の超音波検査で子宮・卵巣の状態を確認し、月経トラブルの原因を探ります。
未性交の方には経腟内診・経腟超音波は行いません。それ以外の超音波検査で対応します。
初診は必ず保護者の方と一緒に受診してください。
| 初診料 | 保険適用(自己負担あり) |
|---|---|
| 腹部超音波検査 | 保険適用:約1,600円 |
生理痛・月経困難症の治療
生理痛の程度・原因・妊娠希望の有無に応じて、以下の治療法から最適なものをご提案します。
鎮痛剤(NSAIDs)
痛みの原因となるプロスタグランジンの働きを抑える薬を用います。痛みが出始める前に服用することでより効果的です。内服のタイミングをご指導します。
低用量ピル(LEP)
月経困難症・子宮内膜症の治療を目的としたピルです。排卵を抑えることで子宮の収縮を和らげ、経血量の減少と痛みの軽減が期待できます。思春期の方にも処方可能で、保険が適用されます。
| 低用量ピル処方(LEP・保険適用) | 約500〜2,000円/月(3割負担) |
|---|
生理不順・無月経の治療
原因によって対応が異なります。まず問診と血液検査(ホルモン値)で原因を確認してから治療方針を決めます。
生活習慣の改善指導
過度なダイエット・激しい運動・睡眠不足・強いストレスが原因の場合は、生活習慣の見直しが最優先です。必要に応じて管理栄養士や心療内科との連携もご提案します。
ホルモン補充療法・周期療法
ホルモンバランスの乱れが確認された場合、黄体ホルモン剤や低用量ピルで月経周期を整えます。長期の無月経は骨密度低下につながるため、そのままにしておくのは望ましくありません。
漢方薬
漢方薬を用いることもできます。ピルや西洋薬に抵抗がある方の選択肢が広がります。
| 血液検査(ホルモン値・貧血など) | 保険適用:約1,000〜5,000円 |
|---|---|
| 漢方薬処方 | 保険適用(薬剤により異なる) |
PMS・PMDD(月経前症候群)の治療
生理前1〜2週間に現れるイライラ・気分の落ち込み・頭痛・むくみなどの症状を月経前症候群(PMS)、精神的な症状が強いものをPMDDといいます。学校生活に影響を及ぼすこともあります。
低用量ピル
特にヤーズ・ヤーズフレックスによる症状の緩和
生活習慣
睡眠・食事・運動の改善指導
漢方薬
「生理前だけ別人みたいになる」「毎月、先生や友達と衝突してしまう」そういったお悩みもPMSの可能性があります。一人で悩まず相談してください。
おりもの・デリケートゾーンのトラブル
おりものの量・においの変化やデリケートゾーンのかゆみ・痛みは、カンジダ腟炎・細菌性腟症・性感染症などのサインであることがあります。恥ずかしいと思わず、症状があれば早めに受診してください。
| 腟分泌物検査(おりもの検査) | 保険適用:約500〜2,000円 |
|---|---|
| カンジダ・細菌性腟症の治療(外用薬) | 保険適用 |
※ 未性交の方には内診を行わず、外陰部の視診や問診で対応できる場合があります。
